いや、もちろん排泄する気がなけりゃ行かないんですけど。
でも本読んだり新聞読んだりしてたりもするでしょう?
僕の敬愛する谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』の中で、
和風住宅の厠こそが最高に精神の安まるところだと書いています。
厠(かわや)はトイレのことです。
有名俳句「古池や蛙飛び込む水の音」も厠から「聴こえた風景」という話も。
だから結構トイレって「部屋」なんですよ。
特に住宅のトイレはもっと部屋であるべきだと。
じゃあそこに固定されてる便器は?
「便座」っていうくらいだから「椅子」なんだと思うんですが
世の中の椅子のバリエーションに比べて便器のそれって極端に少ないと思います。

これはロンドン行ったときにデザインミュージアムで見た便器。
四角いだけで「おっ!」みたいな気がした自分の感覚にがっくり。
よくよく考えたらもっと様々あってしかるべきだし。
とにかくトイレ空間ってすごく貧困なんですよ。
昔読んだ「おぼっちゃまくん」のトイレは体育館くらいデカくて
トイレットペーパーは万札使ってたっけ、と考えてみる。
これから住宅を考える方、一度トイレにこだわってみては?
オシャレは足元から。
住宅はトイレから。
どちらもお金をまわしにくいからこそ、怠ってはダメという共通点で。。
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