2007年08月19日

宮脇スポット

今日は照明の話です。

もう他界しておられる住宅巨匠建築家である故・宮脇檀氏が
好んで使っていたスポットライトがこの写真。

miyawaki.gif

通称・宮脇スポットと呼ばれ、オフホワイトの内装壁に
とてもよく馴染むものです。
しかも普通の電球が使えるのに、意外とスリムなプロポーションで
消灯時には殆ど存在感がない逸品です。
特に吹き抜けに使った場合、2階から器具の上部を見下ろすこともあるので
そこらへんも結構気を遣うのですが、そこもまた良し。

そもそも発売元はヤマギワという照明メーカーだったんですが
宮脇氏が亡くなってから廃盤になってしまって入手不可能とされてました。
しかし、一昨年でしたか或る方が定期的にヤマギワに特別発注している情報を入手。
そして入手ルートを確保した僕は使う予定もないのに早速購入!
それが写真の宮脇スポットなわけです。

とても気に入ってるのでコレは保存用として取っておきますが
いつかどこかのプロジェクトで使ってみたいと夢見ています。
ただし、ちょっと値がはるので、なかなか使う機会が訪れないのが残念です。。


posted by nis at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月15日

トイレは何する場所か

トイレで何してますか??

いや、もちろん排泄する気がなけりゃ行かないんですけど。

でも本読んだり新聞読んだりしてたりもするでしょう?

僕の敬愛する谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』の中で、
和風住宅の厠こそが最高に精神の安まるところだと書いています。
厠(かわや)はトイレのことです。
有名俳句「古池や蛙飛び込む水の音」も厠から「聴こえた風景」という話も。

だから結構トイレって「部屋」なんですよ。
特に住宅のトイレはもっと部屋であるべきだと。

じゃあそこに固定されてる便器は?
「便座」っていうくらいだから「椅子」なんだと思うんですが
世の中の椅子のバリエーションに比べて便器のそれって極端に少ないと思います。

toilet.gif

これはロンドン行ったときにデザインミュージアムで見た便器。
四角いだけで「おっ!」みたいな気がした自分の感覚にがっくり。
よくよく考えたらもっと様々あってしかるべきだし。

とにかくトイレ空間ってすごく貧困なんですよ。
昔読んだ「おぼっちゃまくん」のトイレは体育館くらいデカくて
トイレットペーパーは万札使ってたっけ、と考えてみる。

これから住宅を考える方、一度トイレにこだわってみては?
オシャレは足元から。
住宅はトイレから。
どちらもお金をまわしにくいからこそ、怠ってはダメという共通点で。。
posted by nis at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月14日

春秋ツギハギ

ちょっと前になりますが知人に連れられ日比谷の日生劇場の地下にある
「春秋ツギハギ」なる店に行ってきました。
春秋はスーパーポテトを率いる杉本貴志氏が経営するレストランとして有名。
でもツギハギは他店とはちょっと異質なつくり方をしていて楽しめました。

インテリアが全く異なる個室やオープンスペースを「ツギハギ」して、
ひとつのレストラン空間を巧みに構築しています。
このツギハギってのが気持ちの良い心理的衝突を体験させてくれます。

potate02.gif

それぞれはバリ島のトラジャ様式の古民家を一軒解体した資材を使ったり、
和紙、鉄、石、洋服、模型飛行機など、多彩な素材を使っています。

日本では最近見られなくなった手工芸の職人技に圧倒される空間です。
例えば、下の写真は朝日新聞の一面を針金でトレースした壁面で
気の遠くなるような仕上がりになってます。が、それだけ魅力的。

potate01.gif

近頃は構造体としての物質性を謳う建築が目につきますが
こういった1つ1つのモノのチカラに支配される空間も気持ちいいな、と思います。

あ、もちろん料理もお酒も美味しいですよ。
うるさくないBGMも、ゆっくりできて素敵。
食器やグラスにも気を配っているし。
良い意味で気が散る空間でした。
posted by nis at 01:16| Comment(0) | TrackBack(2) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月13日

鯨尺って知ってますか?

日本の着物に使われるモノサシを鯨尺というらしい。
これ「くじらじゃく」って読みます。
昔は鯨のヒゲでできていたらしいから鯨尺。

一方、建築の世界では曲尺を使います。
これ「かねじゃく」と読みます。
尺貫法なんて言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。
鯨尺も曲尺もこれに相当し、人体寸法を基本にしたモジュールです。

今、六本木の森美術館でやっている「ル・コルビュジエ展」のひと、
近代巨匠建築家コルビュジエも人体寸法と黄金比を基本とした
モジュールであるモデュロールなんてものを使っていました。

話を戻して、1尺は肘から手首までの長さ、だとか腰幅の長さ、だとか
地域によって基準は違ってたんです。
そんなこんなで、鯨尺の1尺は約38cmで、曲尺の1尺は約30cmです。
鯨尺の方がひとまわり大きいわけです。
それでも最近は着物を纏う人が江戸の頃より当然大きいわけで
鯨尺1尺で基本寸法を決めていた反物の幅も、当然大きくなっているわけです。

ところが建築は変なことになっているんです。
「起きて半畳、寝て一畳」って聞いたことありますよね?
やってみたことあります?無理じゃないですか?
これには二つの理由があります。

まず、僕たちが昔の人より身体が大きくなっていること。

もひとつ、昔の畳より現代の畳の方が小さいこと。
今の畳は団地用に作られた若干小さめのものなんですよ。

これって衣服の世界と比べると逆行してるわけですよ。
だから建築の曲尺で畳何畳分とかいって部屋の大きさを決めているのは
もう身体にフィットする寸法じゃなくなってるわけです。

これからの住宅設計には心が安らぎ、居心地の良い空間をつくるための
現代人のためのモジュールが建築にも必要なんじゃないでしょうか。
posted by nis at 02:05| Comment(0) | TrackBack(1) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月28日

着色は難しい。。

kuri color.gif

設計をしていて、いつも思い通りにイカナイのが木部の塗装です。
サンプルは作りますがモックアップなんて住宅の塗装くらいじゃそうそう作れないですし、
木部ともなると堅木かそうでないかなどの樹種は勿論、
夏目・春目によっても発色が違うので困ります。
塗膜系の塗料なら何だっていいのでしょうが
オイルステイン系の含浸のものだと難易度が高いです。

それが今回は上手くいきました。
写真は和栗のフローリング(無垢)でリボスという自然系OSを塗りました。
まだ壁が仕上がっていないので写真映りはそうでもないですが
かなり良い出来栄えに満足しています。
黒とか白とかのモノトーンの空間は比較的作りやすいし
全体の統一感を出すのは結構ラクです。(色彩のセンスが別段いらない)
そんな長年の想いもあったので本当に今回は胸を撫で下ろした感がありました。

これ仕上がったらアップします。
posted by nis at 22:43| Comment(1) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月23日

ノート

note.gif

どこかへ出掛けると気になる場所とかモノとか空間とかがあります。

この写真はそれを書き留めるノート(もちろん僕の)です。

気に入った場合でもそうでない場合でも書き留めます。
実感して実測して覚えます。
感覚的に心に焼き付けた雰囲気を
寸法という形式で自分のものにしようと努めています。

これは機能性に対しての訓練です。
僕はデザイン的、環境的に良い空間や居場所を創作することは
感性でつくるに近いものがありますが、
機能性はこのような日常の積み重ねで体得するものと信じてます。
特に住宅などの場合は非常に重要です。

僕にとってコンベックスはケータイと同じくらいの携行必需品です。

ホントはプロになる前の学生時代からやるのが大事ですね。
スケールに対する身体感覚が磨かれますから。
建築やインテリアの学生さんにはおススメです。
posted by nis at 20:13| Comment(1) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月16日

日本風と和風

sukiya.gif
現在工事中の数奇屋建築(個人住宅)です。

ところで最近「和モダン」に代表される「和風」的な言葉をよく見ます。
しかし、「和風」って「日本風」とは何か違うな、と感じます。

例えば、「和風居酒屋」に行って「日本風ですね〜」とは言わないですよね。
でも日本建築の桂離宮に行って「やっぱり家は和風だよな〜」などと言ったりします。

「和風」と「日本風」の違いは何か・・・

「和風」=和む、落ち着く、居心地が良い、などの感情的・感覚的な雰囲気を指す
「日本風」=武家造り、数奇屋、真壁、土蔵造り、などの建築様式を指す

・・・のではないでしょうか。

そうなると石や鉄やアルミでつくる「和風」空間ってのもありえる話です。
これまで相容れなかったスタイリッシュでも落ち着く空間なるものは
「和風」への意識でデザイン可能な気がしました。
posted by nis at 10:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月06日

焼き杉

yakisugi.gif建築に使う材料でスギ板があるんですが・・・


焼いてみました。

バーナーで。


スギは年輪の部分が硬く、年輪と年輪の間は結構柔らかい樹です。
これを焼くと柔らかい部分が痩せて年輪が浮かび上がります。
とても良い風合いです。
今回試したのは無垢のスギ板ですが
最近のローコスト住宅などではラーチ合板など木理の美しいものなら
たとえ合板であっても木の風合いを楽しめるのではないでしょうか。
posted by nis at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月05日

メガネとカメラ

メガネとカメラって似てませんか。
レンズが嵌め込んであって価格帯もピンきりで相場も結構似ています。

決定的な違いは、その価格が何に反映されるかだと思います。

高価なメガネは見栄のため。
高価なカメラは機能性のため。

というのは、
メガネは高くても安くても視力が良くなる訳ではありません。
高くなる理由はフレームがかっこいいとかの外観的なものに因ります。
一方、カメラは確実に内部機構が良くなり写真の出来も違ってきます。

つまり金額を投資する先が、前者は見た目・後者は内容なんです。

これを住宅に置き換えてみると世の中には結構メガネが多いです。
ライフスタイルとそれを支える空間にお金をかけることよりも
リビングが何帖だとか、5LDKだとか、大理石の玄関だとか。
もうほとんど見栄です。
形式に囚われ過ぎだと思います。

永く住むならメガネ住宅よりもカメラ住宅を建てる方が正解だと思います。
見栄はその後ついてくるのではないでしょうか。。
posted by nis at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月26日

回遊性

皆さんの家に回遊性はありますか?

回遊性というのは家中をグルグルできることです。

僕の自宅にはありません。
昔住んでいた実家にはそれがありました。
回遊性がある住宅は楽しいと思います。

或る部屋にコチラからもアチラからも行けたり
とにかく行き止まりがない。
お寺や伝統家屋などの日本建築がそうです。
さらに2階建て住宅なら階段がふたつあれば言う事なしです。
オニゴッコやりたい放題です。

夫婦の寝室くらいでしょうか、奥の突当りにあってほしいのは。
浴室だってグルグルのなかにあって良いと思っています。

最近の住宅は小さい。
なのに更にコマ切れにする。
マッチ箱をどう詰込むか、なんて馬鹿らしい。
居住空間がセコイ気がします。
だから全てをグルグルにしてしまえば良いと思います。

住宅をつくるとき、回遊性を一考してみては如何でしょうか?
posted by nis at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月24日

「小さな家」と「住むための機械」

haguruma.jpgル・コルビュジエをご存知ですか?
近代建築を代表する巨匠建築家です。

彼が年老いた両親のために「小さな家」と呼ばれる住宅をつくりました。
それを彼自身が分かり易くまとめた本があり
僕が影響を受けた本のひとつです。

最近また読み直したんですが
彼のいう「住むための機械」という言葉の意味を実感できた気がします。
いや言葉そのものは知っていたのですが
イマイチ実感が湧かないというか。

僕の感覚として彼のいう「機械」とは・・・

「単にmachineryというのではなく
目的用途のために徹底的に無駄を省き、
また時間をかけ淘汰されてきた純朴なカタチにみる美しさ」

だと思います。
例えば歯車などよく見ると意外と美しいものです。

アノニマスなモノからは学ぶべきことが実に多いです。
先ばかり見過ぎて、前のめりにならないようにと自分に言い聞かせました。
posted by nis at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月18日

ひかり

TN-1.gif 僕が設計した住宅のトップライト。
 天井からの光はとても強いので
 直射光ではなく淡い光が壁をなめるように落ちてきます。

 せっかくトップライトつけたのに、なぜ直射を避けるのか?

 これはクライアントの要望で「どうしても・・・」と
 言われたので計画しましたが
 基本的に僕は住宅でのトップライトはお勧めしません。
 夏には室内の温度上昇が激しいし、
 最近の紫外線は若干強い気がするし、
 掃除はしにくいし。。
 みんなが欲しがる光も使い方は様々です。
 ただ闇雲に光を取り込めば良いってものではないです。
 今日もそんなことを考えながらの設計をしています。

posted by nis at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ケンチク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。